Kokoro oboe

Kokoro oboe

心覚え。

人身事故に遭遇したおはなし。

自分への備忘録というのか、頭の整理というのか。人身事故に遭遇したので記しておく。


【18:24 西川原ー岡山間にて起こった人身事故】

模試が終わり、 生物で精神的ショックを受けた体をなんとか持ち上げ、やっとのことで学校から駅へ向かう。

 

とりあえず来た電車に乗り、 気が抜けた頭で生物の教科書を見なおしていたところだった。


大きく電車が揺れた。
一瞬 窓の外に目をやったが、たまにあること、また手元に目を戻したのも束の間、突然電車が停車した。


「踏切付近で人身事故が発生いたしました。 ただいま原因を調べております。 ご乗車の皆様は今しばらくお待ちください。」


突如 車内がざわめく。
「人身事故?怖いわねぇ」と他人事のように世間話に向かう人もいれば、 いい年して窓を覗き込み、通路をふらふらするおじさんもいる。
携帯電話を出し始めた人も多い。


首を持ち上げ窓の外を見てみる。
黄色いヘルメットにオレンジ色のジャンパーを装備した人が携帯電話を片手に歩いていた。
警察や救急車、はたまた消防車も集まってきた。


踏切の向こうには野次馬の人だかりが出来ていた。不愉快だ。


結局電車が動いたのは、一時間後だった。
厚手の、黄色い布がかぶせられた、遺体と思わしきものが担架に乗せられ運ばれていった。

駅につくと、ホームは人であふれていた。電車は回送のランプがついていた。


翌朝の新聞に出ていた。飛び込んだ人に気がついて緊急ブレーキをかけたものの、即死だったそうな。

人事だとは思えなかった。私だって、いつ、縁から越えるかわからない。


カンカンカン とけたたましく警報機が点滅し狂った音を鳴らす。苦い体液がこみ上げてくる。

電車が過ぎている間は、永遠続くかのような長い時間に感じる。遮断機が上がり生と死の境がフッと途絶えると、ほっとため息をつく。

 

今日も一日、何事も無く終わったと。

 

 


 

かれこれ何年も前のことです。当時高校3年生の私は、人身事故を目の当たりにしました。今となっては、詳しい日付も残ってません。

文章もその時のもの。メールの下書きの片すみにこびり付いていた文章を、どう供養するか考えたとき、ここが一番よいのかな、と思いました。

 

かつての自分へ  私はもう踏み切りを見ません。もう少し生きてもいいかな。