この記事からの続きです。
吸血鬼咲夜です。@kireroさんの素敵な衣装を参考にしました!
— 史兆 (@sh1cho) 2021年5月31日
お嬢様の血を吸って体内に取り込みたい咲夜いいよね…。 pic.twitter.com/WfQ6oDzZSj
こちらのイラストの作業過程のメモをしていきます。
早速塗りに入っていきます。
塗り
アイデア出しの段階で調べたことに
「ヴァンパイアは満月の時に力が強くなる」ことと、「十六夜咲夜という名前は満月を指している」説
があり、面白いなあと思ったので、とりあえず背景に満月を置きました。背後から月明かりが射しているとなれば当然逆光になります。
逆光は今まで描いたことがなく、というより避けていた表現で、
顔は肌色!グレーがかかった色を、きれいに描いた顔の上にかぶせるのはイヤ!
と駄々をこねていました。
しかし私ももうおこちゃまではないし絵のスキルアップを目指しているので、逃げずに真正面から逆光に飛びかかることにします。
塗り方は省略します。ごめんなさい。
3分間クッキングではないですが、塗り終わったものがこちらです。
翼の角度を変え、描き直しました。対角線上に持ってくると広がりが出来るかなあと。
余談ですが、翼の描き直しをしようと思い立ったのは『マレフィセント』という映画を観てから。
羽の大きな妖精(童話だと嫌われ役の魔女)が、羽ばたくシーンで感極まって泣いてしまい、「翼って人を魅了するパーツだなあ」と自分の絵を見直すきっかけになりました。どこに絵の糧になるアイデアが転がってるかわからんもんです。焦ると使える時間を全部絵につぎ込もうとしてしまうのですが、もっといろんなことを見聞きし経験するのが大事だな、と思いました。
映画を知るきっかけになったのはSIAの『Unstoppable』を聴いてから。
ようつべの自動再生で勝手に流れた曲なのですが見事に初見でハマっちゃって。
SIAのパワフルな歌声と、ストーリーはよくわからんがなんか泣いちゃう美しい映像がいいのでみんなみて、見ろ。
話が脱線しました。
どうも色合いが昔のアニメっぽさがあり、これはこれでいいのですが、今回目指す表現から外れているので軌道修正していきます。
が、どこを直したらいいか分からず床でひっくり返ったゴキブリの動きをし泣きわめきたいくらいに煮詰まっていたので、家族に助けを呼びました。
夕日に照らされたような淡さがもっとほしい
あとあんまわからんけど、まつげもっと長いほうがいいと思う
腕に遠近感つけたらよいんでない?
という返答が返ってきたので一個ずつ直していきます。
ちょっと色が抑えめになりました。
こうだな pic.twitter.com/rFq8ljlsMD
— 史兆(作業) (@shicho_2) 2021年5月25日
目元に関しては、別の塗り方も試してみた結果、上の2枚の画像を重ねたものになりました。
とろんとして光ってる。我ながらきれいにできた。
色の微調整を繰り返す
塗るのは9割がた出来ているが、色合いがやっぱり気に食わないので
レイヤーごとに「色相・彩度・明度」のバーをいじります。
簡単に書くと、
スカートの筆で塗った影を茶→赤
グラデーションで塗った影を青→うすい青
という感じです。
よかったことはひとつのパーツにつき、5つほどのレイヤーで塗り分けをしていたため、色の調節がしやすかったこと。
①下塗り
②グラデーションの影
③薄い影
④濃い影
⑤ハイライト
それぞれのレイヤーで微調整を繰り返しました。
3日くらいこんなことやってました。
いいんじゃない?ようやく自分で納得出来る色が出せました。
正直、色塗りより色の調整のほうが時間がかかってます。
「色の調整」を工程の一つに加えましたが、個人的のここの作業は、私のように絵を描くのに不慣れな人ほど必要だと思いました。個人差がでるのは塗り方半分、色のチョイス半分ではないかしら。そういえば萌え絵って全部同じに見えるんだけどって母上が申しておりました、おっしゃるとおりです。
完成
逆光の影とギラギラした光を入れて完成です。
予定していた背景は取り払いました。キャラが目立たせたいので、という理由…というより言い訳しました。
当初は吸血鬼らしく不気味にするつもりだったので、ずいぶんまろやかな仕上がりになりました。
コワイネ
まとめ
完成してから、顔の向きが体にあってなくて不自然だと気づき、穴があったら入りたい衝動にかられています。
下描きの段階でかなり練っていたのに、間があいたばっかりに他人の描きかけの絵を見ているような気分になり、線画をガンガン消して直しまくっていたら、細部は良くなっても全体のバランスが崩れてしまった…そんなところだと思います。
悪いことばかりではなくて、間が開いたことにより執着が薄れ、客観的に自分の絵を見られるようになったのも事実でしょうか。チョコレートは出荷前に、品質を安定させるために熟成させるそうなのですが、絵もそんなところかもしれません。
また、最初にかき集めた資料を活かしきれなかったことも反省材料です。避けようとしてた「棒立ちで微笑むだけの女の子」になってしまった…。
ともかく山あり谷あり最後は反省の穴に入って完成しました。長々とお付き合いありがとうございました。